SAPは使いにくい?
SAPといえばERP最高峰の会計ソフトです。
それなのにエンドユーザからは追加にくいというクレームがあるようです。
今回はエンジニアやエンドユーザ目線、製品別にSAPの使いにくさについて解説していこうと思います。
念のためですが、SAPは紛れもなく素晴らしいソフトです。
経営者からは評判が良く、名だたる企業への導入が進んでいます。
それだけに使いにくいと言われる理由はなんなのでしょうか。
SAPの複雑なユーザーインターフェース (UI)が使いにくい
SAPのユーザーインターフェース(UI)に関するエンジニアの意見は様々ですが、一部の意見ではSAP ERPの標準の画面には業務に不要な項目が多く、操作時の画面遷移も多いため、ユーザーがその入力に負担を感じると述べられています。
また、SAP ERPのUIを改善するための取り組みとして、SAP FioriやLiquid UIなどの製品が紹介されており、これらの製品はユーザーの手間と時間を減らすことを目的としています。
一方、SAPの標準画面をそのまま利用すると使いにくいと感じるケースもあり、業務や用途ごとにカスタムした入力画面を使用することでUIの使いやすさを向上させているとの意見もあります。
エンジニア個々の経験や視点によって異なるため、SAPのUIに関する詳細な使いにくさについては一概に述べることはできません。
SAPの使いにくいUIは改善されている
SAPのUIは改善されており、特にSAP Fioriはその代表例です。
SAP Fioriは従来のSAP GUIに比べて使いやすくなっており、レスポンシブデザインやユーザーインターフェースの改善により、場所や時間を選ばずにSAPシステムを利用できるようになりました。
また、Liquid UI for SAP GUIのようなツールを使用してSAPのUI/UXの改善が図られ、業務に不要な項目やタブを削除することで操作時間が短縮された事例も報告されています。
また、SAP Asset Managerのリリースでは、改善された分析およびチャートのUIが提供されています。
さらに、企業がSAPシステムのユーザーインターフェースを改善し、データ入力の負荷を削減する取り組みも行われています。
SAPの学習コストとトレーニングの必要性があるため使いにくい
SAPは、トレーニングが必要なため使いにくいという評価になる理由として、使い慣れないというものが挙げられます。
従来のシステムからUIが変わると、従業員にとっては馴染みのないものになり、使いにくくなります1。また、高機能であるため、細かい設定が必要であったり入力項目が多かったりするため、設定するのに手間取ってしまう、入力項目を把握しきれないなどのケースが考えられます。
これらの課題を乗り越えるには、使いこなすための従業員に向けたトレーニングや自己学習が必要で、人によっては使いこなすまでに多くの時間を要するでしょう。
また、自社業務とのミスマッチが見過ごされることもあります。
導入後にもフィードバックを集めて対応に努めることや、業務フローの改善を図るなどの施策を継続することで、ERPの使いにくさを改善することが可能です。
また、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)の活用も、SAPを扱う社員のだれもが簡単に操作できるようになることができます。
SAPの使いにくさ:エンジニア目線
これらはエンジニアから見た際のSAPの使いにくさです。
- テクニカルな複雑さ: SAPのバックエンドは非常にテクニカルで複雑です。データベース、プログラム言語(主にABAP)、モジュール、拡張性のあるAPIなどが組み合わさり、新規のエンジニアにはこれらを理解するのに時間がかかります。
- 柔軟性とカスタマイズ: SAPは高度にカスタマイズ可能ですが、その分設定が複雑になりがちです。一方で、ある程度標準機能に頼ることが求められるため、特定の要件を満たすためには独自のアプローチが必要なことがあります。
- リリースやアップデートの複雑さ: SAPのリリースやアップデートは大規模かつ複雑で、それに伴う変更管理が課題となります。アプリケーションやプログラムが新しいバージョンに対応していない場合、問題が生じる可能性があります。
SAPの使いにくさ:エンドユーザ目線
SAP Concurが使いにくいと言われる理由
Concurの使いにくさに関する理由として、以下の点が挙げられます:
- UIのわかりにくさ: ConcurのUIが直感的な操作がしにくいとの指摘があります。
- 視覚的・操作的なわかりにくさ: 視覚的にも操作的にもわかりにくいとの意見がありますが、全体的な業務効率を考えると最適なシステムであるとの評価もあります。
SAP ConcurのUI改善に関する取り組みとしては、Liquid UIを導入してUIの改善を図り、データ入力の負荷を削減する取り組みが行われています。これにより、SAP ConcurのUIの改善が進められていると言えます。
SAP Aribaが使いにくいと言われる理由
SAP Aribaが使いにくいと言われる理由には、いくつかのポイントが挙げられます。
- 複雑な操作: SAP Aribaは、豊富な機能が搭載されており、操作・入力項目が多いことがユーザーにとって使いにくいと感じられる場合があります。
- 見た目に問題があり、使いづらい: 一部のユーザーインターフェースや設定に使いにくさがあると感じられることがあります。
- マニュアル&サポート体制が十分ではない: SAP Aribaのサポート体制が不十分だと不満を持つユーザーも見られます。直感的に操作ができるSAP Aribaですが、サプライヤーにとって使いにくい点がある。
- 取引方法や操作方法が異なる: 同じSAP AribaやCoupaでも、取引するバイヤー企業によって取引方法や操作方法が異なることも使いにくいと感じる要因の一つです。
- アカウントの登録制限: SAP AribaやCoupaで取引を行うにはアカウントの登録が必要ですが、バイヤー企業の方針により、取引企業毎に1アカウントの登録しか認められないケースが多いことも使いにくい要因の一つです。
- サポートが十分でない: サプライヤー側においても、サポート体制が不十分といった意見が見られます。想定外のエラーやページ遷移が発生した場合に、気軽に相談できる電話やチャットサポートを導入してほしいといった要望もあるようです。
しかし、SAP AribaやCoupaは、ITの知識がなくても直感的に操作できる、優れたインターフェースを持つ購買管理システムであり、簡単かつスピーディーにシステムを導入できます。
また、SAP AribaやCoupaは多種多様な購買プロセスをサポートしているため、操作が煩雑になる傾向があります。
SAP AribaやCoupaを円滑に運用するためのポイントとして、ユーザーの本質的な要求を分析し、改善を行うことが重要です。
また、SAP AribaやCoupaの機能を把握し、最大限活用することが重要です。
SAP SuccessFactorsが使いにくいと言われる理由
SAP SuccessFactorsは、クラウドベースの人材管理(HCM)ソフトウェアで、企業が人事、労働力管理、タレントマネジメントなどの業務を効果的に行うためのツールを提供しています。
ただし、一部のユーザーが使いにくいと感じる理由もあります。以下はその主な理由の一部です:
- 複雑なカスタマイズ: SAP SuccessFactorsは高度な機能を提供していますが、その一方で複雑なカスタマイズが必要な場合があります。これにより、システムの設定や変更が難しく、ユーザーが使いこなすのに時間がかかることがあります。
- 使い勝手の不足: 一部のユーザーは、ユーザーインターフェースが使い勝手に欠けると感じています。モジュールごとに異なる画面や操作があるため、一貫性が欠如していると感じることがあります。
- トレーニングとサポートの不足: SAP SuccessFactorsは複雑なシステムであり、十分なトレーニングがないと、ユーザーが機能を最大限に活用することが難しい場合があります。また、サポートが不十分な場合も使い勝手が低下する可能性があります。
- 遅いパフォーマンス: クラウドベースのシステムであるため、ネットワークの遅延やサーバーパフォーマンスの問題が発生すると、ユーザーエクスペリエンスが低下することがあります。
- 価格と複雑性の関連性: SAP SuccessFactorsは高価であり、企業が導入および維持するためには相応の投資が必要です。これに加えて、設定やカスタマイズの複雑さが、コストと時間の増加につながることがあります。
SAP HANAが使いにくいと言われる理由
SAP HANA(High-Performance Analytic Appliance)は、SAPが提供するインメモリデータベースおよびプラットフォームです。一部のユーザーがSAP HANAを使いにくいと感じる理由は、以下の点が挙げられます:
- 導入と運用の複雑性: SAP HANAは高度な技術を使用しており、その導入や運用は通常のデータベースと比べて複雑です。ハードウェアやソフトウェアの要件が高く、これらを管理する必要があります。
- 高価なライセンスとハードウェアコスト: SAP HANAは高性能を提供するため、ライセンスおよびハードウェアのコストが高いです。これにより、中小企業や予算制約のある組織にとっては導入が難しいと感じることがあります。
- スキルセットの不足: SAP HANAを適切に管理および最適化するためには、特定の技術的なスキルセットが必要です。これらのスキルが組織内に不足している場合、ユーザーはSAP HANAを使いこなすのが難しいと感じることがあります。
- パフォーマンスの最適化が難しい: 適切に構成されていない場合や適切なインデックスやクエリがない場合、SAP HANAのパフォーマンスが低下する可能性があります。これに対処するためには、データモデリングやクエリの最適化が必要です。
- アプリケーションとの統合の難しさ: 既存のアプリケーションやプロセスとSAP HANAを統合することが難しい場合があります。特に、変更管理や既存のITインフラストラクチャへの適合が課題となることがあります。